こちらは、プロジェクトにご協力いただいている方々に、 お話を伺いするコーナーです。
その道のプロフェッショナルの方々に、どのようなお気持ちで始められたのかなどを、インタビュー方式でお聞きします。
第1回は武道班(空手)で ご協力いただいた、日本空手協会指導員3名の方々お話を伺いました。

【インタビュー】
日本空手協会指導員 粂田力様・栗原一晃様・高橋優子様 (50音順)

―みなさんはいつから空手を始めたのですか
粂田さん:小学生から始めた人もいればそうでもない人もいます。
人によってばらばらですね。
高橋さん:子供の頃から長く続けている人もいれば、
高校まで違うスポーツ、バスケットやラグビーなどをしていて
大学から始めたという人もいます。
私もバレーバールをしていました。

―みなさんが空手を始めたきっかけは
粂田さん:これもバラバラです。(笑)
友達がやっていたからとか、近所の道場があったからとか。
高橋さん:今空手協会で空手をはじめる子供たちの場合、
親御さんが子どもたちに礼儀を教えたいとか、
学校でいじめられないようにとか、
体が弱いという理由の方が多いです。親御さんが子どもの
送り向かいをしていて、そのうちに親御さんが
興味をもって空手を習い始めたりもします。
粂田さん:親御さんが空手をやっていて子どもに習わせたくて
連れてくる人や、それこそ親御さんが道場をやっていて
物心ついたときには道着を着ていたなんて人もいます。
栗原さん:私の場合は友達がやっていて誘われ、なおかつ親戚の方からも、
「おもしろいよー、男の子だし」と勧められ、遊び感覚で
始めたのがきっかけです。そこから空手の魅力に
引き込まれていきました。辞めたい時期もかなりあったのも
事実です。(笑)

―辞めたいと思ったことは?
粂田さん:うーん、やっぱり何度もありました。


―学生時代では、何がきつかったですか?
栗原さん:まわりの友達がTVを見たり、遊んだりしているときに
僕らは習い事として空手をやっていましたので、
それはきつかったですね。
粂田さん:道場では、基本の動作の練習が一番きつかったです。
基本があっての形、組手なので毎日基本を練習しました。
道場では、基本をきちっとやります。そして、
高校に入ったら、試合の練習が主で、大学では基本の
練習をしながらも、試合で勝つための稽古をします。
高橋さん:道場の基本の練習では、例えばひざを曲げて
我慢するというように同じ姿勢を保つのがきついです。
基本は同じ動作の繰り返しなので、飽きてしまうことも。
やはり空手は結局自分を鍛えることがベースなので。
その中に楽しみがあるのですが、
それを見出す前に止めてしまう人もいます。
 

―現在ではどうでしょうか?
高橋さん:空手協会は試合で勝つことだけでなく、本当に
強くなければならないので、もちろん叩かれたりします。
もちろん痛いです...。空手には形と組手とあるのですが、
指導員はもちろんどちらも皆の見本と
ならなければなりません。しかし、やはりそれぞれ多少の
得意不得意がありますので...
みんな自分なりの課題を克服するため毎日努力しています。
栗原さん:私は練習が嫌いなのですが(笑)試合の緊張感が好きなので、
そのために頑張っています。

―空手を通して、何を学ばれましたか?
粂田さん:礼儀と忍耐力。一番はそこだと思います。試合に勝つか
負けるかということは抜きにして、
やはり礼儀や忍耐力は空手を通して学びました。

―空手の魅力ってなんですか?
高橋さん:空手はなにも使わず、自分の身体のみじゃないですか。
だから毎日練習を積み重ねることによって、本来の
人間の持っている凄い能力が引き出されていく。
しかも続けていけばいくほど、限界というのが、
わからないというか、結構奥深いものがあります。
元々、人間は凄い能力をもっているんです。
あとは年をとっても出来ますよね。球技とかは途中で
限界が来て、おじいちゃん、おばあちゃんが
バレーボールとかできないじゃないですか。いくらなんでも。
しかし空手は70歳でも、80歳でも、  
いくつになってもその人の空手をというものができるのです。
最初は礼儀から始まり、返事をしっかりする、いわれた事に
対して、ハキハキ答えるという基本的なことを大切にすること。
次に我慢と耐えることを身につけること。
自分に負けそうなところを克服すること。最後は思いやりです。
組手では、「相手が何を考えているのか」を
考えるようになります。色々な小さな情報から、
相手がどんな技を出そうとしているのか、こちらの
どんなところを狙っているのかを予想するのです。その空気を
感じようとします。そうすることによって、普段の生活でも
「あの人は何を探しているのか」、
「あの人は今、何を必要としているのか」、
「次は何が必要になるのか」などその先をよんで、
相手が気持ちよく生活できるように準備することができます。
相手の気持ちを考えたり感じたりすることが
できるようになると思うのです。ただの殴り合いに
なってしまうとまったくの別物で、
「挨拶ができて、我慢が出来て、最後は人を思いやれる」
というように繋げていけるというのが空手だと思います。

―上手になるにはどのような練習、心がけを大切にしていますか?
栗原さん:小さい時はなんでこんなものやっているのだろうと思った。
反抗期の時は特に。その頃から試合が好きで、負けると、
練習をもっとやらなくてはいけないと思いました。
親にもなんで負けたんだと叱られたり、
怒られたくないっていう気持ちと、負けたくないという
気持ちが強かったから、練習を続けることができました。特に
中学・高校が一番反抗期で、練習をするのが
辛かったと思います。遊びにいきたかった。でも、
遊び行こうと誘われてもいわれても
「道場があるからいけない」と断り練習に打ち込んだ。
高橋さん:高校生や大学生の場合、同じように目的意識を高くもった仲間が
集まるので頑張れますね。一人じゃできないことも、
仲間と一緒ならできちゃうんですよ。

―空手を習う子どもたちに伝えたいことを教えてください
高橋さん:『空手に先手なし』という言葉があります。空手の形はすべて
受けから始まります。空手は誰かを
傷つけるものではありません。心と身体を鍛えるものであり、
自分や自分の大切な人を守るものです。絶対に
自分から人を傷つけてはいけません。ただ、
弱い者いじめをしている人、暴力をふるう人に
「それはいけないこと。」ときちんと言えるように、
正しいと思ったことは自信をもって正しいと言えるように、
空手はそのための訓練です。是非みんなの頑張っている空手が
誰かを守るものであってほしいと思っています。

―子どもたちがけんかの道具として使ってしまうこともあると思うですが
高橋さん:それが一番怖いことです。このプロジェクトで協力したとき、
一番最初に、言葉が足りなかった、と感じたことが
あったんですね。そしたらやはり、帰るときに子どもたちが
ふざけて友達を蹴ったりして...暴力に使うのではない、
空手は相手を殴るための道具ではないということを
きちんと伝えなかった...と心残りでした。

―最後に、みなさんにとって、空手とは?
栗原さん:もう仕事にまでしていますし、人生にとってはずせないものです。
「辛いだろうけど、好きなことを仕事にできて、、、」と
みんなからはうらやましく思われます。今となっては、
空手がなかったら今の僕はないと言っても過言ではありません。

―指導者の立場として指揮する場合の大変なことは?
粂田さん:子どもだけというようにまとまっていればよいのですが、
時には大人と子どもを同時に教えることがあり、その場合は
      それぞれのレベルがあまりにも違うので、多少考えますね。

―大人になって始められる方も多いのですか?
高橋さん:大人になって始める方はけっこういます。みんな
「いつかはやりたかった、最後のチャンス!」と言って
男の人は「ずっと憧れていて、いつか習いたいと思ってた。」
という方も多いようです。

インタビューの感想:
空手に対する想いが空手協会の皆様の言葉から伝わり、
空手の精神性を学ぶことができました。インタビューにはとても親切に
応対していただき、この場を借りてお礼を申し上げます。
大人になってから始められる方もいらっしゃるようですから、
少しでも興味がある方は是非体験してみてはいかがでしょうか。

【主な試合経歴
 
粂田力様
内閣総理大臣杯 第51回全国空手道選手権大会  組手の部 5位
形の部 3位
栗原一晃様
内閣総理大臣杯 第50回全国空手道選手権大会 組手の部 3位
形の部 優勝
内閣総理大臣杯 第49回全国空手道選手権大会   形の部 優勝
第10回船越義珍杯 世界空手道選手権大会        形の部 優勝
高橋優子様
内閣総理大臣杯 第51回全国空手道選手権大会 組手の部 準優勝
内閣総理大臣杯 第50回全国空手道選手権大会 組手の部 準優勝
内閣総理大臣杯 第49回全国空手道選手権大会 組手の部 優勝
第9回松涛杯争奪 世界空手道選手権大会      組手の部 準優勝
第10回船越義珍杯 世界空手柔道選手権大会   組手の部 優勝
日本空手協会の粂田力様・栗原一晃様・高橋優子様にインタビューいたしました。

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